Travels with an Elephant

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zoom RSS 班加羅爾で喀拉拉茶館

<<   作成日時 : 2009/12/04 19:35   >>

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前回のエントリにも書いたように今度の象旅はネット環境がさんざんだったため、日誌をネットにあげるなど夢のまた夢だった。備忘にメモ帳に書きとめたものを参考に、あれらの日々を再現してみることにしよう。


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11月25日(水)

定刻より半時間早く新加坡樟宜機場第二航厦着。トランジットの時間が延びると普通なら厄介なのだが、チャンギならその気遣いもない。フードコートのポークヌードルで腹ごなし(以前愛用していた餛飩麺屋が撤退したのはかえすがえすも残念!)して、TranSpaでシャンプーとヘアローション、Ultimateで按摩、お土産を買ってるうちにバンガロール行きのボーディングの掲示が。

機内ではあてどなく飛機餐をもしゃもしゃ喰いながら無為に過ごす。シンガポールまでの便でインド映画は見てしまったからだ。誰ですか、そこで「サウスの映画見ちゃったんならヒンディーかウルドゥーのインド映画見ればいいじゃん」なんて言ってる人は。そんなこと言ってるとマリー・ワントワネットみたくギロチン台の露と消える運命になるよ。ところで今回見た映画というのはSiva Manasula Sakthi (2009)、主演のジーヴァがラルさん主演のKeerti Chakra (2006)に副主人公で出てたというのだが、一向に記憶に残っていない。ま、それなりの演技力はあるようだしダンスセンスもかなりハイレベルだが、残念ながらいかにも芸に華がない。寧ろサポート役のサンターナムやウルヴァシ(相変わらずの機関銃トークは絶好調!)の好演の方が印象に残った。内容的には出来るだけバイオレンス味を控えたラブコメで、こういうのが当るとなるとタミルも変わってきたもんだと感慨深いが、どうもセンチメントの盛り上げ方に違和感が残り、マラヤーラム語映画みたいにすっきり感動できない。このあたり、翌日川縁さんと交わすことになる話題とも関係してくるのだが、同じサウス4州の映画と雖も映像上の感情表現には微妙な差異がありそうだ。

空港ではとっととエアポートタクシーを捕まえてガンディーナガルに向かう。車内で川縁さんに電話。明日のアポのことを確認する。1時間弱でShree Adiga Residencyに着く。タクシーの運ちゃん(バーラという名らしい)が帰りの飛行機は何かとしつこく訊いてくるので明後日の0900にピックアップを頼んでおく。チェックインして部屋で早速ネットにつなぐごうとするものの、シグナルが安定せずブラウザの展開が異様にスローである。困ったものだ。上映館と上映時間だけ確認してさっさと寝ることにする。何せ明日は3時間半の長丁場が待っているのだ…

11月26日(木)

0600起床。時差を考えればよく眠れた方だ。暫し町内を散歩。Sapna Book Houseとの位置関係を今一度確認。ここは書籍の他に映画関係のディスク類も取り扱っている、この周辺のランドマークになり得る本屋である。しかしどう考えてもグーグルマップに掲載されてるこの場所は可笑しい。ホテルよりひとつ西の路地にあるから正しくはだいたいこの辺であろうかと思われる。それにしても"Book House"とは書店としてはヘンな表現。ついついイギリスのbooking houseを思い出してくすくすと一人笑いする。

早餐はルームオーダーでオニオンウタッパムとコーヒー。ここの朝飯は何気ないメニューしかないが味は逸品の名にふさわしいと思う。サンバルの独自の甘さに感動する。

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漁夫王に電話して明日のフライトのリコンファーム。デカン・ヘラルドの朝刊でPazhassi RajaのSangeeth Cinemaでの上映1445からと最終確認。バスルームでバケツにお湯溜めてる途中でブラックアウト、慌てず騒がず暗闇の中で黙々と体を洗う。

AirTelのSIMカードのことで近所の代理店と交渉するがいつも通りインド的なトラブル。カウンターのおねーちゃんが眼鏡っ娘で萌えただけに交渉が決裂したのは残念至極。可愛い子は皆にアイソよくしなければお金儲けはできませんよ。ここでプリペイドSIM購入に必要と言ってきたものは、@パスポート、Aそれ以外に身分を保障するもの(例えば運転免許証)、B宿泊先の領収書。まだチェックアウトもしてないのにどうしてhotel billがあるねん?と難詰すると、予約のときのアドバンスの領収書があるはずだ、それを持って来いと返された。残念ながら筆者は川縁さんに予約してもらったためそれはないし、その書類にはたぶん川縁さんの名前が書いてあるだろう。しつこくネゴを続ければ何とかなったろうが、これだけで1日潰すわけにもいかず、今回はここで挫折。対インド人戦まずは一敗である。

まずはMG Roadに向かう。例によって雲助と怒鳴り合い、通常は多分Rs 25くらいだろうが30で合意。この戦いは双方痛み分けか。Brigade Rdで降りるが東西南北が分からず半時間くらい辺りをうろうろしてサンダル足にマメを作る。しかし日差しの強くなる正午前に長時間歩き回っても殆ど汗をかかないとは、流石に冬期のバンガロールは冷涼である。

ようやく自分の立ち位置を把握して、Nilgirisでペットボトルの水2本購いPlanet Mでディスクが漁るが大した収穫なし。セキュリティが皆チベット人なのが面白い。真逆こいつらグルカ人ではあるまい。実はカルナータカ州では、マイソールに大規模な亡命チベット人コミュニティがあるだけに、ここバンガロールでもチベット系の顔はよく見かける。そういえば川縁さんはよくチベット人に間違われて道を訊かれると言ってたっけ。

そろそろ小腹が減ったのでIndian Coffee Houseへ。店は知らないうちにChurch Stに移転していた。ベジミールス。給仕のおっちゃんは愛想いいが、大して美味でなし。オニオンオムレットにすればよかった。コーヒー飲み乍ら老師にSMS。

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1315、ICHを出てFabindiaに向かう。バンガロールのファビンディアは服売り場とカーペット売り場が別々のビルに入ってるので一寸迷う。服売り場は警察運動場の向かいの近代的ショッピングモールの3Fにある。品揃えはコーチンの店の方がよい。とういうことはハイダラバードの店がいちばん商品が充実してたということか。

オートでInfantry Rdへ、Rs 25。予想より早く着いた。もっと値切ればよかった。シヴァージナガルのバス停留所のベンチの屋根の下でのんびり。暑くもなければ寒くもない、実に快適な気温である。あたりの町並みは庶民的な気配でよい感じ。ムスリムの姿が多く割と規模の大きなモスクもある。マラヤーリーのコミュニティも近くにあるのだろう。

Sangeethは典型的なローカルな単館、日本的規模からいえば建物自体がけっこう老朽化しているが、インドではまあこれが普通。隣接してSandeepというソフトポルノとB級ボリウッド専門館がある。ふたつはエントランスもほぼ一緒。Rs 80のバルコニー席を購入。場所はだいたいこのあたりになるものか。


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平日の昼間なので観客もまばら。おばちゃんの団体のマラヤーラム語が甲高く響く。1445に上映はじまる。が、スクリーンに映し出されたのはサティアン・アンティカッド監督がぼそぼそと語る光景。こ、これは、Pazhassi Rajaじゃない、Kerala Cafeだ!あれほど確認を繰り返したのに何たることか!またもルーズなインドの前に一敗地にまみれる。250分をじっくり見通す心構えだったので些か拍子抜けだが、ニティヤちゃんの美貌を大画面で見られるのだからこれもまたよろし。

またもインドにダマサレタことを老師にSMS。映画を見ながら筋の進行をリアルタイムで報告。老師はシュウェちゃんのお臍にことさら関心をお持ちのもよう。この映画に関してはすでに邦人の手で詳しいレビューが上がってるので興味あるむきはそちらを参照されたいが、これはインドの娯楽映画には珍しいオムニバスもの。マラヤーラム語映画らしく繊細な造りで国際映画賞でも狙えそう、インドに予備知識のない人でもそれなりに関心を持って見れるかも知れないが、いざインド映画としてどうなのかという点に関しては今のところ評価は保留しておこう。むろん筆者はマラヤーラム語映画界に一定の知識を擁する立場から楽しく鑑賞できたが、幾つか思うところを以下に箇条書き。

@冒頭の"Nostalgia," drct. Padmakumarはディリープがアザト過ぎて食傷。ディリープは細かい演技も出来ることはじゅうぶん認知されているのに、何故こうも演技力を誇示しようとするのか。
Aプリトビとレヘマーンの出て来る"Island Express," drct. Shankar Ramakrishnanは字幕なしでは内容がよく分からず。過去に実際起った鉄道事故を取り扱ってるようだ。
B "Lalitham Hiranmayam," drct. Shaji Kailasではスレーシュ・ゴーピが省エネ出演。何せほとんど科白がない。煙草を指にはさんで無言のまま腰掛けているか、さもなきゃ重傷者としてベッドに横たわってるだけ(笑)奥様役はジョティルマイ・ニシャント!愛人役の女優はダンニャ・メアリ・ジョージ(Dhanya Mary George)というらしい。
C"Lalitham Hiranmayam," drct. Uday Ananthan、これも筋というかストーリー展開の背景がよく見えなかった。ホラー映画の手法で何かを語ろうとしたものなのだろう。久方ぶりに見たティラカンの重厚な演技が印象に残った。注目の新人女優ミーラ・ナンダンは狂言回しにしか使われておらず残念。
D"Happy Journey," drct. Anjali Menonは(筆者にとって)この映画のハイライト。何てったってニティヤちゃんがジャガティ先生と顔合わせするというのだから。カリカット行きの長距離夜行バスの客となったスケベ親爺のジャガティは隣あわせた美少女ニティヤにセクハラを繰り返すのだが、ニティヤがテロリストのメンバーであると仄めかすに及んで…というお話。いやいや、この掌編でのニティヤちゃんは素晴らしゅうございました、はい。筆者にとってはこの子を見るのは棟梁ソルネス以来だが、演技者としての成長は著しい。あとで川縁さんに確認したらカレッジの最終学年というからもう二十歳は過ぎてるらしいが、パーフェクト美少女ぶりにますます磨きがかかっている。ニティヤの場合、目鼻立ちというか顔の各パーツの配置がまったく理想的、なのにまったく縮毛矯正せず正宗サウス美人の資質をそのまま出してることころがたいへん好感が持てる。サウスの美意識に関心ない女優はさらさらヘアーにでもなってボリに進出を図ればよろしい。そうなればあたしからすれば最早縁なき衆生。ここでのニティヤはベテランのジャガティ先生を相手にしても臆するところないのがよろしいな。思えば分別盛りの中年男を「痴人の愛」へ陥れる妖しい美少女、というのがこの子の当たり役ではあった。科白のないところの表情の作り方がすっかりプロ級である。恐ろしい新人が出たものだ。
E"Aviramam," drct. B. Unnikrishnanでは老師が執着されてたシュウェちゃんのお臍が見れる。しかしシュウェちゃん、どうして最近こう老け役が多いのだろう?まだまだ立派にヒロインをはれる年齢だと思うのだが、若妻専門の女優で落ち着いてしまうのか。旦那役がシディックなのでどうにも胡散臭く、配役としてはあまり適当とは思えなかった。
F"Off Season," drct. Shyamaprasadは本作唯一のコメディで主演は近年活躍著しいスーラジ・ベンジャラムードゥだが、こういう役こそイノセントにやらせたかったと思うのはあながち筆者だけではあるまい。
G"Bridge," drct. Anwar Rasheed、これに就いては後述。
H"Market," drct. Reevathyは人身売買を取り扱った作品だが結末が悲惨すぎ。監督のレーヴァティだって自分がトップ女優だった時代にこんな脚本持ち込まれたら憤然として却下したに違いない。レーヴァティが監督するとなると、どうも知に流されがちなものとなって面白くない。もっと情(センチメント)を大事にするような作風を心がけていただきたい。
Iしんがりに登場しますは"Puram Kazhchakal," drct. Lal Joseでシュリーニヴァーサンとスーパースター・マンムーティをフュチャーしてございまする。マ様は全篇を通して不機嫌そう(というか、そういう演技)なのだが、この人が怒ったら実際さぞかし恐かろうなと心底思った。

しかし何といってもこの映画の白眉は、Gの貧窮にあえぐ洗濯屋サリム・クマールのお話に出て来る子猫と認知症のお婆ちゃんである。老人と小動物を使うのは些か卑怯な裏技なのだが、いやはやこの挿話には泣けました。Iでのマ様は流石と思わせる貫禄なのだが、それでもネコと婆ちゃんの前に霞んでしまったのは若干とはいえ情けない。

1715、映画館を出てオートでホテルへ。やはり打々発止のあげくRs 35に落ち着く。半端な値段だと向こうに着いてから釣りがないと主張してそのぶんを掠めとろうとする不逞の輩が余りにも多いので、俺は10ルピー札4枚渡すけどお前5ルピー玉持っとるやろな、としつこいほど確認して乗車。ホテルに戻って足を洗い(笑)靴擦れのところにバンドエイドはってからサプナ書店へ。ここでも大した収穫なし。着替えてホテルのロビーで川縁さんを待つ。

1905川縁さん来る。近所のアーンドラ料理屋(ホテルのレストラン)でチキンビリヤニ、レモン・チキンとフライド・マトン。ここのグレイヴィは合格。マトンフライは思わず白酒が欲しくなる味つけ。まあ正宗とはいいがたいがハイダラを偲ばせる味でよろし。但し映画噺が盛り上がりすぎて料理の写真撮るのを忘れた。

部屋に戻って新加坡で購ってきたスコッチで乾杯。えんえんと映画オタク談義が続く。川縁さんのおねーちゃんヒットゾーンは度外れて広範囲におよび永代首位打者の地位を恣まにしている(一部では悪球打ちとの陰口も、笑)ゆえに、その知識はまさに百科全書的。ニティヤちゃん讃からはじまってマムター姐の行末の心配、唯一のテルグ純血種がスワティだとは情けないという話まで。何故同じ女優でもテルグで撮ったらスレンダーに見えるのにカンナダではデブに映るのか?とか、センチメントの面で日本人に一番分かりにくいのはカンナダとタミルで、テルグとマラヤーラムは比較的なじみ易い、だから在印の川縁さんにはタミル&カンナダが面白い、とか興味深い話題が尽きない。映画噺以外には北カルナータカのデーヴァダーシ寺院のことなど。

話は弾んで0930には帰宅を予定していた川縁さんがようやく辞去したのは2330くらい。倭国での再会を約す。川縁さんが去った直後、しきりに見せたがっていたプニート主演でプリヤちゃんヒロインのプロモーション・クリップがテレビの画面に流れる。ゲンちゃん+ラームのテルグ語映画Readyのカンナダ・リメークとの由。

付録、今回バンガロールでは停電がひどかった。水力発電に頼っているので乾期はどうしてもブラックアウトが頻発するとのこと。念のためフラッシュライトを持ち歩いてるため特に大きな不便は感じないが、リフトの中で停電したときは流石に肝を冷やした。冬期には定期的に電気が切れる時間帯が設けられているらしい。しかし最もIT化が進んだ先進都市で電力インフラがこのザマとは、これで先進国の仲間入りしたいとはヘソでお茶が沸くわい


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様でした。

私も関与していた部分が多いので、コメントの付け所がたくさんあるのですが、、、

Kerala Cafe寸評のD"Happy Journey"が、他のエピソードに比べて4,5倍のスペースを割いているところに、メタ坊さんの熱い思いを感じました。
実際、ニティヤちゃんはいいですよね。

今、バンガロールでごろごろしているそうです、ハイ。(超信頼できるスジによる。)
 
川縁
2009/12/09 10:38
ええっ、今バンガロールに行けばそこらの道ばたにニティヤちゃんがゴロゴロしてるんですか!そりゃ極楽ですな。

と定番のボケをかましておいて…

いや、喀拉拉茶館のニティヤはほんとに素晴らしかったですね!美少女というもののエッセンスですね。あと二三本、中年男を迷わす妖しい美少女役というのをやって欲しい。今度はスレーシュ・ゴーピかデーヴラージ相手に。

まあ余り早い時期からキャラを固定してしまうのは、本人の芸歴には望ましくはないでしょうが。この子は大きく伸びる可能性があると思うので、暖かく見守っておきたいと思います。

ところでIV SasiのVellathoovalってもうディスク化されてるんでしょうか?そうなら是非見たいんですが。
メタ坊
2009/12/09 12:06
私はまだ目撃していないんですが、もし出ているなら購入しておきます。(これはバンガロールでは公開されませんでした。)
 
川縁
2009/12/11 10:47

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