Travels with an Elephant

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zoom RSS 無敵のインドはインドではないな

<<   作成日時 : 2009/12/21 19:08   >>

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まのとのま、というマンガ家というかイラストレータのコンビがいる。

この二人の「無敵の〜」というシリーズは、決して全巻通読したわけではないけれども、私としては好評してる方である。「無敵の台湾」なぞは愛読していると言っていいほどかも知れない。

シリーズの企画コンセプトは、まあ、パック旅行に倦んだ小金持ちのOLさん相手に、仲良しグループでこんなとこ行けば楽しいですよ、というような情報を、少女漫画ノリの文体で気軽に紹介するというもので、特に貴重な情報が掲載されているわけではないが、読み物としてダラダラ気軽に読めるという、どちらかといえば脱力系のトラベル漫画と言っていいだろう。


このシリーズで「無敵のインド」が最新刊で出ているのを知ったのはつい最近のことだ。関心はあったが、何しろ世間は慌ただしい師走、いかさま窓際教授と雖も真っ昼間からどの学生と会うかも分からぬ巨大書店でオンナ子供向けの低俗本を読みながらくつくつ笑ってるわけにもいかず、ようやく今日、こそこそと人目を忍んでジュンク堂へ行ってきた。

頬っ被りしながら旅行書コーナーに行ってまず驚いた。まさにこの本を小脇に抱えてレジに向かう年嵩のオーエルさんがいるではないか!横目で睨むと「てくてくインド、魅惑のスピリチュアルツアー」とかいう本も買っている。違うぞ、おねーさん、インドにそんなもの求めても手痛い目に遭うだけだ、という儂の心の叫びも虚しく、年嵩オーエルさんは人ごみの中に消えていったのだった。

なじみのイタリアンでランチしながら一読してみたが、いや、これほど違和感のある本もまず珍しい。低料金で、でも一寸お洒落でかわゆくというシリーズのコンセプトが悉皆丸ごと一切全然、インドという国と調和しないのだ。そもそもオートでボラレだとか釣り銭を誤摩化されたとか、乞食に一番汚い札をやったら交換を強要されたとか、そういうインドらしい日常が頭から排除されているのだから、こりゃ一体どこの話じゃ?と首を捻りたくなっても無理はなかろう。

敗戦以降の日本はもっとも重要な倫理的価値観である分際というものが憲法で禁圧されてしまったサイテーの国である。だから小金持ちが手前の金使ってかわいんど探しに天竺國へ赴いても誰も文句は言えない。しかしなあ、と儂は思うのだ、デリーのインディラ・ガンジー空港に真夜中に着いて、プリペイド・タクシーに見知らぬホテルに連れ込まれた無知蒙昧な年嵩オーエルさんとその仲間はいったいどう思うだろうか?そもそもその連中は五体満足で日本に帰って来れるのであろうか?

所詮他人事といえばそれまでではあるけれど、そういうおせっかいな心配さえさせてしまうほどの脳天気なインド案内であったのだ。心ある人には一読の上、儂と義憤を共有することを勧めたい。

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